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【BESPOKED OSAKA 2026 】サークルズ テーラード的 視点 by 柳瀬

先日、大阪のGLION MUSEUMで開催されたBESPOKED OSAKA 2026へ、限られた時間ではありますが、足を運んできました。
今回が日本初開催となるBESPOKED。世界15カ国から71組のフレームビルダーや自転車に関わるブランドが集まった、ハンドメイドバイクを中心とした展示会です。

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普段はSNSなどを通してしか見ることのできなかった自転車の数々を、実際に目の前にすることができる。そしてテーラードで扱っているフレームやバイクと比べてみたい。そんな貴重な機会を、以前から楽しみにしていました。

会場には、それぞれのビルダーの個性が色濃く反映された自転車が並び、フレームの造形から細部の仕上げまで、さまざまな「ものづくり」を見ることができました。

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写真では伝わりきらないパイプの曲線や接合部分の造形、溶接の仕上がりなど、実物を目にすることで初めて気づくことも多く、改めて自転車というものの奥深さを感じることになりました。

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そして、これほど多くのビルダーが、それぞれの考え方や技術を用い、自転車をつくり続けているということがとても嬉しかったです。

乗り手に合わせて一から設計するフルカスタムオーダーから、ビルダー自身の理想を形にしたショーモデルまで、その考え方や自転車のあり方もさまざまです。

これだけ多くの選択肢があること自体が、自転車を楽しむ私たちにとって、とても豊かなことなのだと思います。

広がり続ける、ものづくりの可能性

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今回、特に印象に残ったことのひとつが、3Dプリント技術によって製造されたラグやエンドパーツなどを活用した、チタンフレームの数々です。

PROVA、CURVE、EQUILIBRIUMなど、複数のブランドが独自に設計した3Dプリント製のパーツをフレーム製作に取り入れていました。

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その存在は知っていたものの、フレームに組み込まれる前のパーツを間近で見たのは、ほぼ初めてのことでした。

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従来の加工方法では実現が難しかった複雑な形状のラグや接合部を生み出し、それぞれのブランドが考える機能や造形を実現していく。同じ技術を使っていても、その使い方や仕上がりには、それぞれのビルダーや設計者、ブランドの考え方が表れています。

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3Dプリント技術によって、フレーム設計や造形の自由度が広がり、これまでとは異なる発想の自転車が生まれていることに、とても興味を惹かれました。

もちろん、従来の一本一本のパイプを加工し、溶接することで形づくられた、シンプルなフレームの魅力も変わらずあり続けます。

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一見すると単純な構造に見えても、接合する角度に合わせて一本一本のパイプを精密にカットし、隙間なく組み合わせていく。その工程には、作り手の経験と確かな技術が求められます。

そして何より、パイプが交わる部分に残された溶接の跡からは、人が手を動かし、一台の自転車をつくり上げているということが色濃く伝わってきます。

そうした手仕事の存在を感じられることも、僕にとってハンドメイドバイクの大きな魅力のひとつであったりします。

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もちろん、3Dプリント技術を活用したフレームにも、設計や加工、仕上げなど、多くの人の手と技術が関わっています。

どちらが優れているという話ではなく、それぞれのビルダーが理想とする自転車を実現するために、自分たちの考え方に合った技術や製法を選択しているということです。どのような手段や技術を使い、何を実現しようとしているのか。そこに作り手の個性や考え方が表れることが、ハンドメイドバイクの魅力なのだと思います。

それぞれのビルダーが考える、理想の一台

こうしたものづくりを目の当たりにすることで、改めて、Circles Tailoredで取り扱っているブランドの魅力についても考える機会になりました。

チタンフレームという共通点があるのが、SEVEN CYCLES、DESALVO CUSTOM CYCLES、SYCIP DESIGNS、そしてKUALISです。

いずれもチタンフレームのカスタムオーダーに対応していますが、ビルダーの経験や技術、そしてフレームに対する考え方はそれぞれ異なります。

同じ素材を使い、似た製作方法を選んでいても、そこから生まれる自転車には、それぞれの個性が表れています。

SEVEN CYCLES

例えばSEVEN CYCLESは、乗り手の身体的な特徴や走り方、好みの乗り味など、さまざまな情報をもとに、一人ひとりのためのフレームを設計しています。そのベースとなるのは圧倒的な数のフレーム製作実績とそこから得られたデータです。

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ジオメトリーやチューブの選定、剛性の調整はもちろん、それらを正確に形にするための製作技術にも強いこだわりを持っています。

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例えば、複数のパイプが集合するBB周辺の溶接。熱による変形を抑えながら、フレーム全体の精度を追求することは、シンプルな構造の中に隠された高度な技術のひとつです。

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もちろんSEVENも3Dプリント技術について考えていない訳はありません。チタンの材料特性や疲労耐久性についても研究データをもとに考察し、3Dプリント製のチタン部品についても独自の見解を発信しています。

その辺りのSEVENの技術論は、ぜひ店頭で興味のある方とお話しできればと思います。

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材料の特性を深く理解し、長く使い続けられるフレームを目指して製法を選択する。そこには、長年チタンフレームをつくり続けてきたSEVENならではの考え方が表れているのです。

DESALVO CUSTOM CYCLES

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DESALVO CUSTOM CYCLESでは、Mike DeSalvo自身が長年培ってきた経験と技術をもとに、一台一台のフレームが製作されています。

MikeはTIG溶接の技術で数々の受賞歴を持ち、溶接技術を指導してきた経験もある、熟練のビルダーです。

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そのフレームの魅力は、無駄のないシンプルな造形と、美しく整った溶接ビード。

華美な装飾に頼らず、素材や構造そのものの魅力が伝わってくるフレームには、Mikeのものづくりに対する真面目さや誠実さ、そして技術への自信が表れています。

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そして、僕自身がDESALVOのフレームを見るたびに感じるのが、とてもよく走りそうだという直感的なイメージ。

特別な造形があるわけではありませんが、フレーム全体のバランスや細部の仕上がりを眺めていると、スペックとは別の部分で、自然とそんな印象を抱いてしまいます。何がそうさせているのか、明確な理由はなくても、それこそがビルダーとその作品の持つ凄さだと考えます。

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一本一本のパイプを組み合わせ、丁寧に溶接していく。長年の経験と確かな技術に裏打ちされた、シンプルで無駄のないフレームづくり。

その積み重ねから生まれる美しさは、僕自身がハンドメイドバイクに惹かれる理由とも重なり、DESALVOならではの魅力を感じるところでもあります。

SYCIP DESIGNS

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SYCIP DESIGNSを手がけるJeremy SyCipは、コミューターバイクやツーリングバイク、荷物を運ぶための自転車、さらにはE-BIKEまで、さまざまな用途に合わせたフレームを製作してきました。

オリジナルのキャリアやパーツなども手がけており、自転車を単なるスポーツの道具としてだけでなく、日々の暮らしの中で使い、楽しむものとして捉えていることが伝わってきます。

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フォークやシートステーに見られるセグメント構造も、SYCIPらしい造形のひとつです。

クロモリを使った多様なフレームやパーツの製作で培われた経験と技術を持ち、チタンという素材でも、Jeremyならではの一台を形にしています。

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そして、SYCIPの自転車には、どこか温かみを感じます。

それは、実際に接してみるとわかる、Jeremy自身の温かな人柄が表れているからなのかもしれません。

独特の造形や遊び心がありながらも、決して飾るためだけのものではなく、日々の暮らしの中で使う道具としての空気感を纏っているように思えます。

自転車をどのように使い、どのように楽しむのか。そうしたことまで含めて一台を形にできるところに、SYCIP DESIGNSの魅力を感じます。

KUALIS

そして、日本のKUALIS。

ビルダーの西川氏は、かつてSEVEN CYCLESでもフレーム製作に携わり、溶接技術を磨いてきた経歴を持っています。

長年チタンフレームを製作してきた経験から、その素材の特性や加工の難しさだけでなく、自転車のフレームとしてチタンを使うことの魅力についても深く理解しているビルダーです。

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KUALISでは、乗り手の身体や走り方に合わせてジオメトリーを決めるだけでなく、チューブの径や肉厚、さらにはバテッド加工まで細かく設計しています。

特に、独自のカスタムバテッドチタンチューブは、乗り手が求める乗り味に合わせて、肉厚やその変化を細かく調整できることが特徴です。

一本一本のパイプを精密に加工し、接合角度に合わせて組み合わせ、溶接することでフレームを形にしていきます。

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実際にフレームを見ると、その仕事の丁寧さは誰の目にも伝わると思います。

パイプの接合部分や溶接の仕上がりなど、細部まで目を向けるほど、長年培ってきた経験と技術を感じることができます。

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KUALISでは3Dプリント技術によるパーツの開発も行っていますが、メインチューブとの接合部分には、乗り手ごとに異なるチューブ径や角度に対応できる製法を選択しています。

新しい技術の可能性も探りながら、一台一台のフレームに必要な設計と加工を追求する。

そこに、KUALISならではの魅力があるのだと思います。

自分のための一台を、仕立てるということ

これだけ多くのビルダーが、それぞれの考え方や技術をもとに自転車をつくり続けている中、自分にとっての一台を、どのように選ぶのか。

乗り方や走る場所、身体に合ったサイズ、好みのデザイン。そして、これからどんなふうに自転車と付き合っていきたいのか。

そうした一つひとつの希望を、ビルダーとともに形にしていけることは、フルカスタムオーダーならではの大きな魅力です。

また、ビルダーが考え抜いた既存のモデルをベースに、パーツの選択や組み合わせによって、自分らしい一台を仕立てていく楽しさもあります。

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そして、今回のBESPOKEDで改めて感じたのは、実物を見ることの大切さです。

先にも書きましたが、写真や文章だけでは伝わりきらない、パイプの形状や溶接の仕上がり、塗装の質感、そして一台の自転車が持つ雰囲気。

実際に目の前にすることで、初めて感じられる魅力があると思います。

Circles Tailoredでも、実際に見て、触れていただけるハンドメイドバイクをいくつか展示しています。

写真で気になっていた自転車が、実物を見ることでさらに好きになることもあれば、思いがけず別の一台に惹かれることもあるかもしれません。

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気になるブランドや自転車があれば、ぜひ一度、お店にも足を運んでみてください。

実物を見ながら、フレームの造形や細部の仕上げ、それぞれのビルダーが大切にしていることなど、いろいろなお話ができれば嬉しく思います。

今回のBESPOKED OSAKAでは、改めてハンドメイドバイクの世界の広さと、その魅力を感じることができました。

そんな世界があることを、もっと多くの人に知ってもらいたい。

そして、その中から自分だけの一台を見つける楽しさを、これからもTailoredで伝えていけたらと思います。