CHRIS KINGオリジナルリムを用いた待望のホイールセット
これまでENVEやHEDの良質なリムを用いてカスタムホイールの提案をしてきたクリスキング社。
既存の製品同様の高いクオリティを実現するにあたって、カーボンリムを手掛けるCSS社と手を組みました。
次世代ハイエンドカーボン素材である FusionFiber™️ を用いて、念願であったオリジナルのリムによるホイールセットの展開がスタートします。
FusionFiber™️リム
FusionFiber™️は、従来のレジンによる接着ではなく、ナイロン製の接着剤を用いて織りなすカーボン素材であり、より頑丈に、そして衝撃に対する耐久性も向上し、振動減衰性も向上するという特徴を持ちます。
また、この接着方法によりリムの硬化プロセスにおいて大幅な時間短縮を実現し、リムとしての性能を左右するための調整もしやすく、何より製造にかかるコストやエネルギーを抑えることはシンプルに環境にも優しく、またこの素材は万が一リムが壊れてしまっても別の形でリサイクルすることができ、性能と持続性の両面を持ち合わせた新素材と言えます。
2モデル・3ラインでの展開
グラベル・オールロード用のGRD23(700c)と、マウンテンバイク用のMTN30が27.5インチと29インチの2サイズという計3つのラインナップ。
昨今のディスクロード、グラベルマーケットを見渡した上でまさにスイートスポットと言えるGRD23は、軽さと強度のバランスに優れたホイールです。
そしてFusionFiber™️の特性が、目まぐるしく路面状況が変わるトレイルにおいても安定な推進力と振動吸収性能を発揮するMTN30という2モデルが展開されます。
Chris Kingが考える本当に良いものとは
Chris Kingは本気で一生涯使えるものを作ってきました。
使い捨て製品はステークホルダーにとって悪循環を生む恐れがあることをChris King社は知っているからです。
サンタクルーズシンジケートチームの元メカニック、ダグ・ハットフィールドの言葉の通り、「Chris Kingのパーツは使い捨てではない」のです。それは環境への配慮でもあり、プロダクトの作り手、受け手の為でもあります。
1976 年に Chris King 氏が会社を立ち上げて以来、2 つの目標を掲げて会社を運営してきました。
・環境に配慮した方法で高品質なバイシクルパーツを生産すること
・人々の生活並びにコンペティションを支え、そのパーツが捨てられずに長く使われること
これらは今も変わらず製品を生み出す軸となっています。
また、この高い目標を達成するために壊れにくい製品を作り、仮に壊れてしまっても何度でも直せるように、多岐にわたるスモールパーツを供給し続けているのです。
リサイクル可能なリム
Chris Kingは自社の名を冠するホイールを生み出すにあたり、エンジニアリング、デザインを得意とするCSS社のリムを最高のパートナーとして迎えました。
彼らは高品質のリムを地球環境に配慮したフローでユーザーに提供します。
特筆すべきは、リムに用いられる素材は100%リサイクルが可能な素材で構成されている点です。
全てのリムを自社のある拠点、ユタ州ガニソンから出荷しており、過度にエネルギーを使わず製品を流通させていることもフローからわかります。
まさにゆりかごから墓場まで環境に配慮したカーボンリムだと言えるでしょう。
Chris King社とCSS社の類似する点は、クオリティーの高い製品を求めつつ、自らが存在する地球への配慮を忘れずプロダクトを作り続けていることです。
「高性能と環境配慮」
一見すると相反するこの二つの要素を高い次元で持続して達成しようとしているChris King社は2020年にB コーポレーションに認定されています。
*Bコーポレーションは、米国ペンシルバニア州に本拠を置く非営利団体のB Labが運営している認証制度で、環境、社会に配慮した事業活動を行っており、アカウンタビリティや透明性などB Labの掲げる基準を満たした企業に対して与えられる民間認証です。「B」は「Benefit(ベネフィット:利益)」を意味しており、環境やコミュニティ、従業員といったステークホルダーに対する利益を指しています。
https://sustainablejapan.jp/2015/02/09/b-corporation/13882
次の目的に向けて
壊れたパーツはすべて捨ててしまうのでは無く、状態の良いパーツはそのまま使う。
これこそクリスキングの理念です。
これまでもChris King Wheel Dept.ではレーススペックの他社製リムと完全分解、リペアが可能なハブでホイールを組み上げてきました。
Chris King社が販売するホイールセットには保証期間を設け、ワランティー対応となったホイールにはリペアを施してきましたが、走行不能となったリムは不燃ゴミと同様の最後を迎えます。
今回のCSS社製のリムでは従来不燃ゴミとなってしまうリム部分をリサイクル可能な素材を使用することにより、より彼らの理想に近づいた製品となったのです。
単純にワランティーを受け、新たなホイールを新調することはユーザーにとってはメリットであっても、クリスキングが目指す広義でのメリットではありません。
ユーザーにとって、ステークホルダーにとって、そして地球環境に対して自分たちができることを行う。
Bコープ、ひいてはChris Kingの理念に基づき、サスティナブルで堅牢な製品を作り続けることで、ステークホルダーやユーザーに長期的なメリットをもたらすための努力を、日々アメリカのポートランドという場所で試行錯誤し続けています。