文・写真:宇野 翼
BIKE PHOTO:佐藤 剛

世界で一番好きな写真です。
ここは、愛知県丹羽郡大口町にあるSHIN・服部製作所の工房です。
そこにいけば、人の匂いがあり人と道具が織りなす優しい音がします。
懸命にある鋼を磨いている人は、服部 晋也氏(通称:シンさん)
一般的に見れば、「何のために一本の棒を持っているのか」という疑問の声が聞こえてくるかもしれません。
僕ももしかしたら、そう思う側の立場だったかもしれません。

どうして僕はこの工房で写真を撮っているのだろうか。
どうして僕はシンさんの溢れ出る情熱に、心を奪われてしまったのだろうか。
そう考えた先に、一枚のオーダーフォーム用紙を提出しに工房を訪ねました。

オーダースーツを仕立て上げていくように、自転車の世界にも仕立て役が世界中に存在しています。
僕もサークルズを通して、様々なフレームビルダーを実際に見たり美しいフレームを手に触り、店頭に綺麗に吊し上げたり、またお客様のために形になっていく姿を見るたびに、いつかあんなカッコいい自転車に乗りたい。。
そんな気持ちを心の内に封じ込めて、やっと根を出して声を上げて
行動に移した場所がこちら。SHIN・服部製作所のシンさんに依頼をさせていただきました。






僕は工房の椅子に座り、シンさんと作りたいフレームについてお話をさせていただきました。
実際のオーダーフォーム用紙をもとに、自身の身長や体重、股下や脇下から手のひら中心までの長さなど。
細かく慎重に思い描く一本を目がけて、談笑を織り交ぜながら真剣にお話をしていきます。

今回の用途としましては、トラックフレーム一択でライドはもちろんのこと、シクロクロスレースやトラッククロスレースにも積極的に参加したいところから、ジオメトリー(フレーム寸法や形状)を整えていきました。
僕の目標としましては、SHIN TRACK BIKEであらゆる場所に踏み入れたいです。
国内はもちろんですが、海外にだって旅を一緒に楽しめるそんな一台と共に今後のレポートが書けたらなぁと考えています。

完成品を受け取りに

待ちきれないワクワクさをOMNIUM Mini-Maxと共に駆け足で工房へ訪ねます。
そこに移りゆく景色は、一度もみたことがない光景でした。
最後の仕上げにと、シンさんのモチーフでもあるメガネのヘッドパッチをロウ付けして完成です。


なんだか、こうした光景は初めてでもあり不思議な時間でした。
道具にも命があるということを、こんな目の前で見せつけられていたのかもしれません。
この時は、すごく胸が熱くなり自然と涙を流していました。






実際に作り手であるシンさんの眼差しをみて、僕は何があろうとも自転車のことを嫌いにならないと。
そう強く思いました。
というよりかは、誰にも負けないほどに強くて優しくて手を差し伸べられるそんな自転車乗りと言われるような一人でいたいと思いました。

深呼吸をするかのように

色々なことが蘇ってきます。
サークルズという大きな屋根の下で、あっという間の10年。
楽しいこと、苦しいこと、怒られること、救われたこと。
全部が意味のある時間でした。
それを自分自身、本当に理解をして咀嚼しながら生活ができているのだろうか。
忘れてもいい物事、忘れてはならない物事ありとあらゆるものを仕事をする上で今もこうして継続的に励むことを忘れないようにと思います。

球体ペイントを信じています。
僕たちサークルズでは、自転車のフレームに喜びある塗料を加えてお客様のご希望を叶えられるサービスをしています。
純粋に色を与えるだけで、いざ自転車に乗車するときの気持ちが何倍にも変わります。

一つ目には、パウダーペイントというものがあります。
こちらは、粉体塗装と言われるもので非常に耐久性の高い塗膜がつき、しかも低価格で短納期でのお渡しを強みにしております。
しかしながら、現状ですとありがたいことに多くのお客様からご注文をいただいており、少し納期というところでお時間を要してしまいますが、どうかお待ちいただく間はこれからの自転車生活を想像する時間にあてていただければ幸いです。
二つ目に、ウレタンペイントというものがあります。
僕も今回、ウレタンペイントでの塗り分けで進めていただきました。
パウダーペイントよりも複雑な塗装を得意としており、合わせて様々な特殊塗料を加えることも可能な塗装サービスとなります。
僕も塗装の仕上がりを見て、非常に興奮してます。
これほど色への関心が薄かったとは言いませんが、正直色に圧倒されてます。
皆様もぜひ、球体ペイントを信じてみませんか?

達成への道具

自転車から目標をもらいました。
目標に向かって突き進むことは、安易ではないかもしれません。
天候が良い時もあれば、激しく冷たい雨に打ちしがれることもあります。
はたまた、自転車で漕いでる最中に事件や事故に巻き込まれることもあるでしょう。
と言いながらも、自転車で行きたい場所まで漕いでいくこと。
会いたい人のところまで漕いで会いにいくこと。
レースがあるから準備をしようと、広い河川敷まで漕いでクタクタになるまで走り込むこと。
もうそれだけで、自転車を通じての達成が叶えられます。

自転車には車輪がつきものです。
スポークカットをして、スポークに丁寧にプレップをつけていきます。
久しぶりのメカニックピットスペースでの作業は初心に戻ります。
もう写真を見ている方はお気づきかと思いますが、ずっと使ってみたかった「CCB-001 CK Hub Fixed Gear Converter」でホイールを仕上げていきます。


120mm幅のリアエンドから離れられません。
CHRIS KING ISO AB Front HubとCCB-001 CK Hub Fixed Gear Converterが存在しうる限り、僕らトラックバイク愛好者は一人も欠けることなく、永久不滅と確信します。
これからトラックバイクに挑戦したい、楽しんでみたいかも?
そんな妄想をするぐらいなら、すぐにでも乗ってみればいい。
と訴えたいですね。
何も恐れることはありません。
ほんの少しでも好奇心が芽生えているのなら、思い切ってみたらいいと思います。
きっとシングルスピードでしか味わえない感動や興奮が待っています。

自転車という美しさ

あまり美しさについて考えたことがないのかもしれません。
自転車での美しさは果たして、どういうものなのでしょうか。
自転車パーツのアッセンブルなのか。
自転車フレームのカラーリングなのか。
完成車体から始めることなのか。
勢いよくゼロ組車体を選択するのか。
どうなのか、こうなのか。。









自分の自転車を眺めながら考えます。
結局のところは、その人が楽しみで乗る乗り物なのだから。
自由にとことん遊び尽くすことに到達できることが、美しさの一つになるのではないかと踏んでいます。

先日、Circles Tokyoのスタッフである吉本くんのライド企画に参加させていただきました。
そこでの写真は撮り損ねてしまいましたが、場所は山梨県の富士吉田市に位置する”北富士演習場”という最高なロケーションでのファーストライドは圧倒的で格別でした。
また、おかわりライドということでみんなと走りにいきたいですね。
ほんとお世辞抜きで、めちゃめちゃ楽しい北富士演習場でした!

| Frame | SHIN FABRICATION Custom Track Frame |
| Headset | CHRIS KING NoThreadSet 1-1/8″ Titanium |
| Handlebar | SIMWORKS Smog Cutter Bar – 480mm |
| Stem | SHIN FABRICATION Custom Stem |
| Bartape | GREPP Gripper Handlebar Tape – Picasso Lily |
| Saddle | WTB Gravelier Cromoly |
| Seatpost | SIMWORKS Froggy Seatpost – Silver / 350mm / 23mm |
| Hub | Front : CHRIS KING R45 Silver – 32H / Rear : CHRIS KING ISO AB Front Black – 32H |
| Rim | VELOCITY Quill – Black |
| Spoke | SIMWORKS Condor Spokes – 14 Straight Gauge |
| Cog | CCB-001 CK Hub Fixed Gear Converter |
| Tire | TERAVAIL Updraft Light & Supple – 700x35c |
| Crank | SHIMANO Dura-Ace Track Crank FC-7600 |
| BB | HATTA BB Set R9400 |
| Chain | HKK Vertex – Blue |
| Brake | PAUL COMPONENT Minimoto Linear Pull Brake – Black |
| Pedal | TIME XC C1 |
| Brake Cable | SIMWORKS Stainless Outer Cable for Brake – 3m – Clear |
| Paint | 球体ペイント |
終わりに

自転車に乗っていれば、きっといいことがあります。
大人になればなるほどに、行動からなる経験や最終的な成果。
自分自身で決めた物事への責任感。
とてもとても、大切な事柄だと思います。
そうしたことをきちんと果たせるように、毎日の行いを正確に実行できるように頑張っていきたいと思います。
まだまだ書き足りないことがありますが、これまでに携わってくれた方々に感謝の言葉を送ります。
ありがとうございました。
これからも宇野ちゃん紀行を記すことができるよう懸命に励んでいきたいと思います。
宇野ちゃんより


